カメラマン向け

センサークリーニング方法解説の決定版!【絶対に知っておくべきことまとめ】


こんにちは。カメラマンのフジカワです。
今回はカメラのセンサークリーニングの方法について徹底的に解説いたします。
私の今までの経験と知識を惜しみなく全投入しながら、少しでも皆さんのセンサークリーニングに対する疑問を解決できればと思っています。

はじめに断っておきます。
この記事は非常に長いです。
もしかしたらセンサークリーニングについて書かれている記事の中で最も長いかもしれません。
書き終えて数えてみたら約1万文字でした。

しかしそれほどまでにセンサークリーニングには多くの知識が必要だと思っています。
半端な知識でセンサーに触れることはとてつもないリスクを孕んでいます。

『無知は罪なり』と良く言いますが、
『無知はカメラを壊すなり』です笑
いえ、笑い事ではありません。

リスクもメリットも全てを知ってもらいたい、無知ゆえの失敗をなくしてもらいたい。
そんな思いで書いています。

<この記事でわかること>

  • ゴミが混入する原因と対策
  • ゴミが写り込む原理
  • ゴミの有無の確認方法
  • センサークリーニングのリスク
  • センサークリーニングに必要なもの
  • センサークリーニングの方法とコツ

今回はニコンのカメラについて解説を行うため、他メーカーのカメラとは違う点がある可能性があります。
予めご了承ください。

あらゆるリスクを知り、自らセンサークリーニングを行う方法を習得したい方には、他にはない記事になっていると思いますのでお付き合いいただけると幸いです。ちょっとだけ自己紹介させていただきます。
私は東京神奈川を初めとする関東地区で活動している建築カメラマンです。
私もかつてはメーカーのサービスセンターでクリーニングを依頼していました。
しかし現在は仕事で頻繁にカメラを使うため、自分でクリーニングを行っています。
ぜひ皆さんにも今回ご紹介するクリーニングスキルを身につけていただきたく思います。

もうひとつだけ初めに断っておかなければいけないことがあります。
この記事を読んで行うあなたの全ての行動は自己責任で行ってください。
申し訳ないですが私はあなたが行うことによる損失等の補償は一切いたしません。

センサーに傷を付けただとか、シャッター幕を壊しただとかそういったこと全て補償いたしません。

これこそがメンテナンス方法を解説する人は多くても、センサー清掃については触れない人がほとんどである理由の一つだと思います。
なぜそういうことが起きる可能性があるのか、それはこの記事を読み進めていけば分かるかと思います。
実際にセンサークリーニングを行う時にはよく勉強し、よく練習してから自己責任で行うようお願いします。

ちなみに私は失敗して機材を壊したことは一度もありません。

前置きから長くなってしまいましたが、この記事を最後まで読み終えたときにはセンサークリーニングについて正しい知識を得られているはずです。

1.そもそもセンサーゴミとは?

1-1.ゴミの有無の確認方法

用意するもの

  • カメラ
  • レンズ
  • 白っぽい壁or紙



これだけです。
カメラの設定を次の通りにしてください。

  • マニュアルモード
  • SS1秒
  • f16
  • ISO感度オート
  • マニュアルフォーカス
  • ピントリング無限遠

設定できたら白っぽい壁か紙を撮影します。
シャッターが開いている1秒の間にカメラをたくさん動かして写真をボケボケのブレブレブレにさせましょう。

こうすることで壁や紙についている汚れや柄を写すことなく、センサーについているゴミだけを映し出すことができます。
よく真っ白のコピー用紙を使うと説明されていますが、そんなもの無理になくても大丈夫です。

もしブレさせないとこんな感じ↓

しっかりとブレを作るとこんな感じ↓

この時丸く写る黒〜グレーの点はセンサーダストです。糸状のゴミの場合はそれをぼかしたような形で写ります。

原理は単純です。
センサーの上に付いているゴミはカメラをいくら動かそうが、センサー上に乗っているのでブレることはありません。
一方でセンサー上にあるゴミとレンズの中やレンズの表面にあるゴミ以外は全てブレて見えなくなります。

「それだとレンズのゴミと判別つかないじゃん!」
と思うかもしれませんが、ピント位置を無限遠にしているのでレンズに付着しているレベルの近距離のゴミが写り込んでくることはまずありません。

条件によってはレンズのゴミも写り込みますが、センサー上のゴミより大きな像として写るため判別できます。

そんなわけでこんなに簡単にセンサーにゴミがあるか判断することができます。
(余談ですが慣れてくると肉眼でセンサー見ればゴミがあるか大体わかります。)

1-2.ゴミが写り込む原理

分かっているつもりで実は分かっていない人が多いセンサー上のゴミが写真に映り込む原理についてお話ししておきます。

クリーニングには不要な知識なので興味のない人は飛ばしてもらってOKです。
ただ知っておくとより知識が深まるので読んでおいて損はないかと思います。


この写真は三重県青山高原で撮影した日の出の写真ですが、左上の部分に見事なセンサーダストが写ってしまっています。
センサーダストって空を撮ったときに目立ちますよね。
なぜかというともちろん空が単色だから目立ちやすいということもあるのですが、空が非常に明るいため絞り値(f値)が絞り込まれることが原因となっている場合が多いです。開放で撮ればまず写りません。

「あ、やっぱり被写界深度の問題か!」
と思った方すみません。
被写界深度は無関係です!

それならいったいなぜ絞り値に依存するのでしょうか?

その答えは光が直進的な進入をするか、拡散的な進入をするかの違いです。

この光の性質について、ストロボを使って擬似的に解説します。

まずストロボ直当てで撮ったときの影は濃くくっきり出ますよね。
このとき光は直進性の高い光です。要するに絞り値を絞り込んだ状態、f16でセンサーに入ってくる光と同じ状態だと仮定しましょう。
この影が写真に写り込むセンサー上のゴミの影です。
実は写真に見えているものはゴミそのものではなく、ゴミの影だったという訳です。
このことを初めて知ったとき私は衝撃を受けました笑

次にアンブレラを使用して柔らかい光にします。すると影は薄くなります。
このときの光は拡散性の高い光です。拡散性の高い光は対象物の裏側に回り込むため、影を作りにくい性質があります。要するに絞りを開放の状態にしたときに似ています。

このように絞り羽根の開き具合によってセンサーに届く光の性質が変化します。

それにより絞り込んだときは直進性の光になり影が濃く出ることで、ゴミの有無が写り込みとして現れる。
一方で絞りを開いていくと拡散性の光になり、影が消えてゴミがあたかもないような写り込まない状態になります。

ご納得いただけましたでしょうか?

1-3.ゴミが混入する原因と対策

「丁寧に使っているのにゴミが入った!」「レンズ交換してないのにゴミが入った!」

これらは何ら不思議なことではありません。
なぜならカメラやレンズは内外の空気が循環しているからです。

具体的にいうと、バッテリー室、ズームレンズの伸縮部分、レフ機であればファインダー部分、主にこれらの箇所から空気の出入りがあります。
もし空気が出入りする箇所にホコリが付着していたら、簡単にカメラの中に入り込みます。
もちろんレンズ交換でもしようものならゴミはいつでも入り放題です。
そうしたゴミがシャッターを切ったりしているうちにセンサーにたどり着き、センサーダストとして写真に写り込むことになります。

ではどのように対策したら良いのでしょうか。
結論から言うと完全に防ぐのは不可能です。ですが確率を下げることはできます。
主な対策方法は以下の通りです。

  • レンズ交換をしない
  • 機材に付着したゴミを払ってから使う
  • 保管場所やカメラバッグ内を清潔に保つ

レンズ交換時のゴミの侵入リスクは誰にでも想像できますね。

機材に付着したゴミを払ってから使うというのは案外重要です。
先程も書いたように空気が出入りする製品特性上、その部分にゴミがあると簡単に内部に侵入してしまうため、使用する前に付着したゴミを払い落とすことで結構防げたりします。

保管場所やカメラバッグを清潔に保つというのは、カメラに付着するゴミを最小限に抑えるということになります。
特にカメラバッグ内のゴミは軽視できません。移動中振動もあるのでどんどん隙間から内部にゴミが侵入します。必ず清潔に保つようにしましょう。
カメラも直接バッグに放り投げるより、何かで包んでから入れたほうがなお良いです。

私は過去に無知だったために初めてのカメラであるD3300のセンサーもファインダーもゴミだらけにしたことがあります。
先程の朝日の写真がそれです。
ファインダー内のゴミを完全に取り除くとなるとエントリーモデルでも分解修理となり1万円以上の費用がかかります。気をつけましょう。

2.センサークリーニングの方法

2-1.センサークリーニングのリスク


<絶対に守らなければならない注意事項一覧>
まず初めにどんなことをしてはいけないのか、どんなリスクがあるのか、それにはどのような理由があるからなのかを正確に理解してからクリーニングに取り掛かる必要があります。

それを怠ればいずれ間違いなく失敗します。失敗とはセンサーに傷をつけることや、シャッターを破損させることを指します。

修理代は新品のカメラ購入時の半額近くかかることがあり、基本的に高画素センサーほど高価であるため修理代は跳ね上がります。

  • 絶対にセンサーを直接触れない
  • 絶対にシャッター幕に触れない
  • バッテリー残量はなるべく満充電にしておく(最低でも7割以上)
  • 十分な明るさを確保する
  • ブロアーの使い方には最新の注意を払う
  • 無水エタノールを使用する
  • シルボン紙を使用する
  • クリーニングスティック(通称:箸)を使う
  • 喋らない
  • カメラの外観をまずは綺麗にしておく
  • 机を綺麗にしておく
  • 部屋を綺麗にしておく
  • 湿度の低い乾燥した部屋で行う
  • とにかくゆっくり丁寧に根気強く
  • 何度やっても綺麗にならないときは休憩してから再開する

現時点で以上の言葉の意味がどこまで理解できていますでしょうか。
安心してください。今からしっかりとご説明します。

この注意事項の説明は非常に長くなりますが、自分でセンサークリーニングを出来るようになりたいのであれば絶対に理解していなければなりません。

もし途中で自信がなくなったら諦めてサービスセンターなど専門業者に持ち込んで依頼しましょう。
センサーを傷つけてからでは後悔します。

絶対にセンサーを直接触れない
これについては言うまでもないですね。何がなんでも指やブラシ等でセンサーに触れないでください。間違いなく傷つきます。イメージセンサーは非常に繊細で、ほんの少しのことで傷がついてしまいます。どれだけ繊細かと言うと、ミラーボックス内に入ったゴミがミラーで弾かれてセンサーに当たっただけで傷がつくことがあるぐらい傷つきやすいです。傷がついたら撮像素子丸ごと部品交換になります。

「いやいや、私のカメラにはローパスフィルターがあるから大丈夫!」と思った方、実はローパスが傷ついた場合もローパスだけを交換することは出来ず、撮像素子丸ごと交換するしか道はありません。注意してください。(但しニコン以外は不明)

逆に「私のカメラはローパスレスでセンサー剥き出しだからセンサークリーニングできないんじゃないの?」と思われた方、実はローパスレスセンサーにはローパスではない別の特殊なフィルターが付いているのでご安心ください。
ただローパスフィルターと比べてアルコールを弾きやすい素材で出来ていることがあるので(フッ素加工等)少しクリーニングの難易度が上がることがあります。

なお、ローパスレスセンサーも外側のフィルターが傷ついたら撮像素子丸ごと交換の道しかありませんので最新の注意を払ってください。

絶対にシャッター幕に触れない
シャッター幕も非常に繊細です。間違っても触れないようにしましょう。非常に薄い幕を複数枚重ね合わせて駆動しています。そのため一枚でも歪みが発生した場合、次にシャッターを切った時にシャッター幕同士が干渉してシャッターユニットが壊れます。
必ずミラー(シャッター)アップしてからクリーニングに取りかかりましょう。

バッテリー残量はなるべく満充電にしておく
(最低でも7割以上)
この理由はセンサークリーニング中にシャッターやミラーが降りてしまうことを防ぐためです。
元々カメラはバッテリー残量が少ない時にはクリーニングミラーアップできないように設計されています。
そのため、もしクリーニング中に電池残量が少ない状態になった時には勝手にシャッターが降りてきてしまい、クリーニングスティックに接触することでセンサーとシャッターを破損させることになります。
なるべく満充電、最低でも残70%以上の電池で行いましょう。初心者の頃は特に集中しているうちに結構電池消耗していることがあります。

また、それに関連してクリーニング中の注意ですが、長時間ミラーアップしたままにしていると自動的にミラーとシャッターが降りてくることがごく稀にあります。
清掃時にはこまめにミラーアップをやり直すようにして、一回のミラーアップ時間があまり長くならないようにしましょう。

十分な明るさを確保する
どれだけスキルが高くても明るさが足りなければ正確な作業は困難です。
ゴミの位置も目視で見えなくなってしまいます。
撮影用照明などで明るく照らして作業しましょう。

ブロアーの使い方には最新の注意を払う
センサーにブロアーを使用するのはNGと思われがちですが、実は必ずしもNGというわけではありません。ニコン公式の取説やウェブサイトにもブロアーによるセンサーゴミ除去方法は紹介されています。

ブロアーを使用するときはブラシがついているタイプのものは必ずブラシを外してから使用するようにしましょう。他にも先端が着脱できるタイプのものは風圧で先端が外れ、センサーに接触するリスクがあるのでなるべく使用しないようにしましょう。
目で見てはっきり見えるような大きなゴミが入っている場合にはブロアーを使用して、そのゴミを除去します。なぜならそのゴミがある状態でセンサーをクリーニングするとゴミが擦れて傷がつく可能性があるからです。
レンズの前玉を清掃する時と同じですね。

無水エタノールを使用する
清掃に使用する溶剤については100%のエタノールつまり無水エタノールを使用するようにしましょう。70%エタノール等には水が含まれるため、機材に悪影響を与える可能性があります。

シルボン紙を使用する
シルボン紙とは不繊維の毛羽が立たない特殊な紙です。素材は柔らかくティッシュのような質感です。表と裏があり、ツルツルの方が表、ザラザラの方が裏です。ツルツルの表側の面がセンサーと触れ合う形で使用します。
レンズ清掃などもこれで行います。良くキムワイプ(研究室などで使用する不繊維の紙)で代用されている方をお見かけしますが、私はセンサークリーニングにキムワイプを使用したことはないのでそれに関しては触れません。

クリーニングスティック(通称:柳箸)を使う
シルボン紙はレンズを拭く際等にはそれ単体で使うことが多いですが、センサークリーニング時に関してはクリーニングスティックに巻きつけて使用します。巻き方は後で解説します。実はこの巻きつけのスキルこそがセンサークリーニングのネックになる重要な要素です。根気よく練習しましょう。
余談ですがなぜ通称箸と呼ぶかについては、聞いた話によると昔は祝箸をやすりで削り加工してクリーニング棒を作っていたことがあり、それが由来になっているようです。あくまで聞いた話ですが。

私が初めてクリーニングスティックを購入しようとしたとき色々な家電量販店を回ったのですが売っているところはありませんでした。しばらく祝箸を仮で使っていたのですが、素材も硬く、形も歪なため使いづらかったので正直おすすめしません。
その後衝撃の事実が…実はニコンプラザで1本数百円(たしか500円ぐらい)で購入できます。店頭には並んでいませんがスタッフの人に声をかけてみましょう。おそらく裏から持ってきてくれます。

喋らない
当たり前ですが唾液が飛ぶ恐れがあるので喋らないようにしましょう。

カメラの外観をまずは綺麗にしておく
意外とこれを軽視している人が多いですが非常に重要です。先程も書きましたがカメラバッグも綺麗にしておきましょう。マウント周辺にゴミがついていたらレンズを外した時にゴミが侵入する可能性が格段に高くなります。せっかく清掃してもすぐ汚れてしまうので必ず徹底しましょう。

机を綺麗にしておく
こちらも当たり前ですね。作業をする机が汚れていれば埃が舞ってしまいます。

部屋を綺麗にしておく
こちらもいうまでもないです。

湿度の低い乾燥した部屋で行う
これは初心者の方が陥りやすい盲点です。無水エタノールは思ったより揮発しにくいです。そのため比較的湿度の低い部屋で行うのがおすすめです。
揮発しやすいと圧倒的に作業しやすくなります。

洗濯物の干してある部屋などは避けましょう。
埃が少ないからお風呂場がいいとか巷で聞きますが、湿気が多いのはNGです。

とにかくゆっくり丁寧に根気強く
何度やっても綺麗にならないときは休憩してから再開する

気持ちが焦っていると失敗の確率が上がります。
何度やってもゴミが取れないことがたまにあります。そうなってしまったらもうなかなか取れません。
そういう時は一旦休憩して気分転換してから再開してみましょう。
案外それでさっと取れたりします。

2-2.センサークリーニングに必要なもの

必要な器具を揃えましょう。


無水エタノール
(ドラッグストアなどで売っているもの(例の影響で現在手に入りません…))

シルボン紙
ニコンプラザやニコンオンラインショップで購入できます。


クリーニングスティック(柳箸)
ニコンプラザでおそらく売ってます。

ハンドラップ
大型家電屋(ヨドバシ・ビック等)で販売してます。私は確かヨドバシで買いました。Amazonにもあったはずです。

ブロアー
カメラ扱ってるところにはだいたいありますね。先端が短いものが扱いやすくて好きです。

2-3.センサークリーニングの方法とコツ

シルボン紙とクリーニングスティックの扱い方
シルボン紙をクリーニングスティックに巻きます。この作業が最も重要だと言っても過言ではありません。
まず指でシルボン紙を触って表裏を確認します。この時シルボン紙のセンサーに接する部分を汚さないよう端の方で確認しましょう。ざらざらしている方が裏面、ツルツルしている方がセンサーに直接触れる表面です。

ざらざら側を内側にして角を三角に折ります。

その折り目の端側にクリーニングスティックを差し込みます。

クリーニングスティックを回転させてシルボン紙を巻きつけていきます。

この時先端に柔らかい遊びの部分ができるように調整しながら巻いていきます。


この柔らかい部分でセンサーを拭くことになります。もしこの部分がないとクリーニングスティックの角がセンサーに当たり、傷つけてしまう可能性があるので気を付けましょう。


巻き付け終わったら完成です。
できるようになるまで何度も練習しましょう。シルボン紙は1枚1円ですが失敗してセンサーを傷つけることを考えれば100回練習しても安い投資だと思います。

アルコールの付け方
ハンドラップの丸い部分を押し込むと下から溶剤が吸い上げられて、シルボン紙に付きます。
アルコールは付け過ぎ注意です。あまり多いと揮発しづらい上に、部品の隙間に入り込み悪影響を与える可能性があります。
液晶などを拭いた時にスーッとすぐに揮発する程度が目安です。※湿度が高いと揮発しにくくなります

シルボン紙とクリーニングスティックの扱いをマスターしたらいよいよ清掃の方法の説明に入ります。
前置きが本当に長かったですね。
ここまでついてきてくださった皆様お疲れ様です。ありがとうございます。

センサークリーニングの方法
いきなりセンサーを清掃するのはリスクとハードルが高すぎるので、まずはレンズの前玉で練習してみましょう。
ご自身のお持ちのレンズの中で一番安いものでいいと思います。
スマホの液晶とかでもいいかもしれません。
もしもしのことがあるので笑

今回レンズ清掃の方法を説明するつもりはないので、私は実際にカメラを用いてやっていきます。

まずはブロアーでボディ表面のゴミを吹き飛ばします。

カードスロットや電池室が汚れている場合はこのタイミングでブロアーでゴミを飛ばします。
センサークリーニング後にスロットや電池室に空気を送らないでください。ボディ内にゴミが入り込み、センサーゴミの原因になります。結構重要です。

ボディキャップを外します。キャップの裏側もブロアーで綺麗にしておきましょう。
ミラーアップする前にブロアーでミラーボックス内のゴミを吹き飛ばします。

写真では解説のため上向きにしていますが、余計なゴミが入らないようにボディは下向きの状態で行いましょう。
この時極度に強い力で空気を送らないようにしてください。
エアコンプレッサーやエアスプレーなどは使用しない方がいいです。風圧でシャッター幕が破損する恐れがあります。
内部の部品にブロアーが接触しないように注意してください。

ミラーやミラーボックス内に取れていないゴミがないか確認してください。もしブロアーで取れない場合は別途清掃します。

植毛部分(黒い生地っぽいやつ)
クリーニングスティックにセロテープを裏向きに貼りつけて、粘着面でペタペタと取ります。やりすぎると植毛が剥がれます。注意してください。

ミラー部分
ミラーは信じられないぐらい傷つきやすいです。センサーより傷つきやすいと言っても過言ではありません。先ほどのシルボン紙とクリーニングスティックでやさし〜く拭き取ります。
左から右、左から右、を繰り返して横向きに上から下まで拭いたら、最後に右端を縦向きに拭き取り、拭き跡を綺麗にします。

センサー部分
さて、いよいよセンサークリーニングに取り掛かります。
ミラーアップします。
ニコンのカメラの場合はセットアップメニュー(スパナのマーク)の中にクリーニングミラーアップという項目があるのでそれを選択して実行してください。
間違ってもレリーズモードのMupを使って清掃しないでください。手違いでシャッターが降りると危険ですし、何よりセンサーに電力が供給された状態だと静電気でゴミが張り付いてしまい清掃が困難です。
クリーニングミラーアップ機能ではその辺りの改善が図られています。

センサーをブロアーで吹き、大きなゴミを吹き飛ばします。
もちろん程々の力加減でやってください。ボディは下向きです。

シルボン紙とクリーニングスティックを用意し、アルコールを付けて清掃を開始します。


中心から周辺に向けて時計回りに円を描くように拭いていきます。シルボン紙の遊びの部分で優しく拭いてください。
端まで行ったら縁に沿って仕上げます。

最後にシルボン紙をセンサーから離すときは拭き跡が残りやすいのでゆっくりと離します。
シルボン紙は一度拭いたらすぐに交換しましょう。2回使うのはNGです。
付着したゴミや汚れでセンサーを傷つけたり、汚したりする恐れがあります。

これを数回繰り返し、目視で見えるゴミがなくなったら1-1で説明した方法で試し撮りをしてゴミの有無を確認します。
念の為、30回ぐらい連写でシャッターを切って、再度ゴミが付着しないか確認してみましょう。この時もボディは下向きです。
シャッター幕やミラーなどにゴミが残っていると、クリーニング直後でもシャッターを切った時にゴミが付着することがあります。

これを繰り返してゴミが完全に映らなくなればセンサークリーニング完了です。

まとめ


今回はセンサークリーニングについて原理、注意点、清掃方法まで全部まとめて説明させていただきました。
ここまで読み進めてくださった方ならセンサークリーニングのリスクや方法についてある程度理解できたのではないでしょうか。
器具を揃えるために初期費用はある程度かかりますが、一度揃えてしまえば運用費用はそれほどかかりません。
何よりメーカー等のメンテナンスを受けるとなると比べ物にならないくらいの高額な費用がかかります。

ただし、自分で行うということはリスクの全責任を自分で負わなければならないと言う事です。
メーカーメンテナンスではその責任分の費用が乗っているので高額になると理解しておきましょう。

マスターできるまで何度もこの記事を読み返して練習してみてください。
練習はくれぐれもセンサーで行わないようにしてくださいね。安いレンズの前玉がオススメです。

かなり長くなりましたが、どのサイトよりも具体的に詳しく丁寧に説明したつもりです。
文字と写真だけでは伝わりづらい部分も多いと思いますので、いずれYoutubeで動画も配信する予定です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

ではまたご縁がありましたらお会いしましょう。

撮影依頼はこちらから

「その一枚、記録と、想いと、人生と、」

施主様、設計士、建築士、関わった人々の想い全てが詰まった写真、それが建築写真。

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